料治熊太と仲間たち

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料治熊太と仲間たち展
会期終了ぎりぎりに見てきました。
料治熊太は、「版芸術」など版画誌の編集者で、版画制作をしたのは
30年から37年までの間のみ。「版芸術」は、
若い頃の棟方志功や谷中安規等が投稿、活躍した雑誌。
料治作品は、特に上手いとか個性的では全然無いようにみえたのですが、
でも素直でいいなぁ、と思いました。かえって、他の作家たちの作品の
自己主張がケムたく感じるくらい。
棟方志功といえば、迫力ある仏画(と、彫る姿)の印象が強烈だったのに
川上澄生に憧れてちょっとモダンな作品にチャレンジしているのも
観られて興味深かったです。
志功といえども、人がうらやましかったりしたのか。
そう思うと人間味があっていいですね。
一番面白かったのは、谷中安規。
この人の作品は、ぱっと見、ロマンでメルヘンな
世界ぽいのですが、よーく見るとすごく変(←褒め言葉です)。
特に「影絵芝居」1〜13景の連作は
人間界から死の世界に子供が吸い込まれてしまうお話。
死の世界では子供は大切に扱われ楽しく過ごし、
心優しい鬼が人間界に送り届けてくれる、
さてその人間界では常に人々が死に魅了されている
…というなにやらとても啓示的でシュールな内容。
ところが、その表紙の絵が、なぜか、
お皿とおやかんが宴をしている絵。
この人とは気が合うかも…と思いました。
ずらずら見ていると
初山滋の珍しい感じの版画作品や
そしてなんと横井弘三の作品が3点も!
料治は、もともとこの横井弘三に影響されて
「白・黒」という版画誌を発行したそうなので
あって不思議ではないのです。
横井弘三は「絵は売り物じゃない」といって終年、
絵ではお金をもらわず勝手に人妻の家に
居候したりして生活をした人(それもどうかと思うが)。
「誰もが絵を楽しむこと、絵に優劣をつけないこと、普段着の絵であること」を
芸術の理想と主張していたそうです。(詳しくは「脱俗の画家 横井弘三」)
横井弘三の版画作品はすごく良かったです。特に「露店」という絵が。
その絵の横に『生活即芸術』と強い筆圧でかかれた横井の言葉が
胸にじんとしみました。

わりと地味な内容の展示かな?と、思っていたのですが
若い人の姿も多く、こういう展示に人が集まるのは嬉しい気がしました。
(本当はもう少し早く見に行ってブログで紹介したかった…)

それにしても暑かった!
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by majapyon | 2007-08-06 12:06
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