ぼろきれ王子

何年も前に古本屋で買って飾ったままだった
理論社刊「日本の児童文学シリーズ全20巻」を
読み始めています。
まずは、
「ぼろきれ王子」飯沢匡著 土方重巳絵

挿絵に強く惹かれました。
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もしかして、これガリ版で制作してるのでは?
っと、思いました。
と、いうのも端々の表現が
ガリ版っぽいんですよね。
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グレー部分が、すべて網掛け(ドット)だったり、
線も良く見ると網点の集合ぽい(そうじゃないのもある)。
ガリ版は、ロウ引きした美濃和紙を
やすり板の上に置いて鉄筆でそのロウを削りとっていく技法。
やすりは、細かい網状になっていますので、
スミ線も、実は網点の集合体。
なので、べったりとせず
シャープで柔らかい印象になります(刷る技術によりますが・・)。
後年になってボールペン原紙というものが出回るのですが
こちらは、ただペン先でロウを削っているだけなので
インクが全部こぼれてしまい、全体にベターっとした印象になるので
この時点で私のガリ版熱は冷めてしまいました。
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見えづらいでしょうけど、このらくだの線は網点で構成されてます。


とはいえ、わざわざガリ版で原稿を作って入稿するかしら?
ググってみると、
土方重巳さんは、NHKのブーフーウー(ある年齢層には!かな?)
三ツ矢サイダー、三和石けんのキャラクターデザインなど
とても有名な方のようです。
土方といえば、「ぶたぶたくんのおかいもの」の土方久功さんと
同じ名字だけど関係あるのかしら?この件は、またいつか。

キャラクターとはまた違うタッチの、この本に寄せられた挿絵の
数々(かなりの点数)も、どれもすべて素晴らしいです。
私の手元にあるのは、1977年発行の古本ですが
現行版もこの挿絵が使われていることを望みます。
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ムワ〜、線が美しい。線フェチにはたまりません(笑)

物語が後回しになりましたが(汗)
とても面白い!
いや〜さすが飯沢匡先生ですね、と言いたくなります。
大人が読んでもワクワク、どうなるのと早く次を読みたくなる。
小学校低学年向けに書かれた文章ですが、
とてもきれいな日本語で、凛としていながら温かい。
子供だからといって、変に甘々な語り口調のお話に
する必要なんて無いのですよね。

最初にのっている「まえがき」の文章も
子供たちに寄り添う素敵な言葉でした。
大人が真摯に子供たちを思って創作しているのが
伝わります。

時代だなぁ、って思ったのは、
ご本人の自宅住所が書かれていること。
そういえば、私の子供の頃はそうでした。
「チョコレート戦争」という本を読んで
作者の大石真先生に感想を送ったところ、
ご本人から直接、御返事をいただいた想い出があります。
今では考えられませんね。
のんびり温かい時代でした。
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by majapyon | 2015-01-29 12:48 | 日々の泡沫
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